<唐津金塊密輸>青森の男が無罪主張 佐賀地裁初公判

gerila

2017年10月26日 18:15

 佐賀県唐津市の漁港に9億3000万円相当の金塊が密輸された事件で、関税法違反(無許可輸入)などに問われた青森県むつ市、会社員、山崎竹助被告(66)は26日、佐賀地裁(吉井広幸裁判長)で開かれた初公判で「共謀して密輸した覚えはない。(密輸グループの)メンバーは皆知らない人ばかりだ」と起訴内容を否認。弁護側は「共謀は成立しておらず、実行行為にも加わっていない」として無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、山崎被告は密輸を指示して関連経費を負担するなど密輸グループの日本人側の首謀者だったと指摘。今年3月と4月にも船を使って金塊の密輸をし、仲間の中国人から1回につき130万円の報酬を受け取る取り決めをしたと主張した。

 起訴状によると、山崎被告は同法違反などで起訴された日本人5人や中国人3人らと共謀。5月30日に東シナ海の公海上で国籍不明の船から金塊206キロを小型船に積み替えた上で、金塊を翌31日に無申告で唐津市内の岸壁に陸揚げし、輸入に伴う消費税8%分の約7440万円の支払いを免れたとされる。

 事件では、金塊密輸事件として過去最大の約206キロが押収された。他に起訴された中国人3人は11月6日、日本人4人は同10日に初公判が予定されている。残る1人で小型船の船長、斎藤靖昭被告(50)の初公判期日は未定。佐賀県警は、密輸の荷受け役で中国に逃亡したとみられる中国人の男について、同法違反容疑で逮捕状を取って行方を追っている。【池田美欧、関東晋慈】


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